ChatGPTと一緒に、お盆のLINEスタンプを作ってみた
「きゅうり馬となす牛の、夏の約束。」制作記録・後編
前編では、お盆をテーマにしたLINEスタンプ「きゅうり馬となす牛の、夏の約束。」の世界観を考え、キャラクター設定書、キャラクターシート、そして16枚のスタンプ設計書を作りました。
後編では、その設計書を実際のLINEスタンプ画像へ変えていった工程を紹介します。
今回使ったのは、Googleスプレッドシート、Googleドキュメント、ChatGPT、Canvaです。
最初から、この4つのツールを使おうと決めていたわけではありません。
実際に作業を進める中で、
「このままではコピーしにくい」
「画像は作れたけれど、そのままではスタンプにできない」
「背景をきれいに透明にするのが難しい」
といった問題が出てきました。
そのたびに方法を変えながら、最終的に16枚を完成させました。
今回は、その流れをまとめます。
設計書はできた。でも、そのままでは使いにくかった
前編では、16枚の設計書をGoogleスプレッドシートにまとめました。
設計書には、1枚ごとに次の内容を入れています。
セリフ
主役
表情
ポーズ
背景
風の演出
感情
たとえば、1枚目の「待ってたよ!」は、次のような設計です。
セリフ: 待ってたよ!
主役: きゅうり馬
表情: 満面の笑顔
ポーズ: 全力疾走
背景: 夕焼け・迎え火
風の演出: 追い風が背中を押す
感情: 再会の喜び
スプレッドシートは、16枚全体を一覧で見るにはとても便利でした。
似た言葉が続いていないか。
きゅうり馬となす牛の登場回数に偏りがないか。
再会から別れまで、感情の流れができているか。
全体を設計する段階では、表で見渡せることに大きな意味がありました。
ただ、実際にChatGPTへ画像生成を依頼するときには、少し使いにくさを感じました。
1枚分の内容が複数のセルに分かれているため、そのまままとめてコピーしにくかったからです。
そこで、最初に行ったのが、スプレッドシートの設計書をGoogleドキュメントへ作り直すことでした。
一覧表を、コピーできる「制作カード」に変えた
Googleドキュメントでは、1枚分の情報をひとまとまりにしました。
No.01
セリフ:待ってたよ!
主役:きゅうり馬
表情:満面の笑顔
ポーズ:全力疾走
背景:夕焼け・迎え火
風の演出:追い風が背中を押す
感情:再会の喜び
この形なら、1枚分をそのままコピーしてChatGPTへ渡せます。
私は、この形を「制作カード」として使いました。
今回やってみて感じたのは、設計するときに便利な形式と、実際に制作するときに便利な形式は違うということです。
スプレッドシートは、16枚全体を考えるためのもの。
Googleドキュメントは、1枚ずつ作るためのもの。
少し遠回りにも見えますが、この作り直しによって、その後の画像生成がかなり進めやすくなりました。
ChatGPTに渡したのは、3つの材料
制作カードができたら、次はChatGPTで画像を作ります。
画像生成のときに渡したのは、主に次の3つです。
1.1枚ごとの制作カード
セリフ、表情、ポーズ、背景、感情など、そのスタンプ固有の内容です。
2.LINEスタンプ用の共通ルール
制作カードだけでは、一枚のイラストとしてはきれいでも、LINEスタンプとしては使いにくい画像になることがありました。
そこで、16枚すべてに共通するルールも加えました。
たとえば、
キャラクターを画面の75〜80%程度まで大きくする
表情、セリフ、ポーズを最優先で見せる
背景は描き込みすぎない
小物は1〜3個程度にする
文字は太く、大きくする
画像の端で文字や足が切れないようにする
といった内容です。
3.前編で作ったキャラクターシート
もうひとつ重要だったのが、きゅうり馬となす牛のキャラクターシートです。
毎回、参照画像として添付し、
「このキャラクターデザインを忠実に維持してください」
と伝えました。
つまり、
制作カードで、何を描くかを伝える。
共通ルールで、LINEスタンプとしてどう見せるかを伝える。
キャラクターシートで、誰を描くかを伝える。
この3つをセットにしたことで、キャラクターの見た目や世界観のばらつきを、かなり抑えられるようになりました。
16枚を、一気に作らなかった理由
今回、16枚をまとめて作ることもできました。
ただ私は、1枚ずつ作る方法を選びました。
技術的に一括生成ができなかったわけではありません。
今回は、1枚ごとの表情や感情を丁寧に確認したかったからです。
「待ってたよ!」には、再会した瞬間の喜びが必要です。
「おつかれさま」には、相手をねぎらう優しい笑顔が必要です。
「もう帰る時間だね」には、寂しさだけではなく、相手を安心させるような表情も必要です。
同じキャラクターでも、セリフによって演技は変わります。
1枚ずつ作れば、表情が違うと感じたときに、その画像だけを修正できます。
背景が目立ちすぎていないか。
ポーズが設計どおりか。
文字が小さな画面でも読めるか。
確認しながら進めたことで、16枚をただそろえるのではなく、それぞれに役割を持たせることができました。
AIを使うと、どうしても「どれだけ速く作れるか」に目が向きます。
でも今回は、速さよりも、1枚ずつ作品へ近づけていくことを選びました。
画像の仕上げにはCanvaを使った
ChatGPTで画像が完成しても、そのままLINEスタンプとして使えるわけではありません。
画像の大きさを整え、背景を透明にし、PNG形式で書き出す必要があります。
この仕上げ作業にはCanvaを使いました。
Canvaを選んだ理由は、大きく2つあります。
ひとつは、LINEスタンプ向けのサイズで作業を始められることです。
今回はテンプレートのデザインを使ったのではなく、LINEスタンプ用に設定された画面サイズを土台として使いました。
最初から必要な大きさで作業できるので、あとから別のツールで細かくサイズを変える工程を減らせます。
もうひとつは、背景透過の使いやすさです。
今回の画像には、キャラクターだけでなく、葉っぱ、風の線、提灯、風鈴などの小物も入っています。
無料の背景透過ツールもいくつか試しましたが、
残したい小物まで消えてしまう
キャラクターの細い足が欠ける
消したい背景が残る
といったことがありました。
Canvaでは、比較的こちらの意図に近い形で背景を取り除くことができました。
自動で背景を削除したあとに、消しすぎた部分を戻したり、残った背景を追加で消したりできる点も使いやすかったです。
有料機能を使うことにはなりましたが、今回は作業時間と仕上がりを優先してCanvaを選びました。
Canvaで行った作業
Canvaでの作業は、次の流れです。
まず、LINEスタンプ用サイズのキャンバスを開きます。
そこへChatGPTで作った画像を入れ、キャラクターと文字が見やすくなるように、大きさと位置を調整します。
その後、背景透過機能を使って、不要な背景を透明にします。
細かな小物やキャラクターの輪郭が消えていないかを確認し、最後に背景が透明なPNG形式で書き出します。
この作業を16枚分繰り返しました。
実際にCanvaへ画像を配置し、サイズを整え、背景を透明にしてPNGで書き出すまでの操作は、動画にもまとめました。
文章だけでは分かりにくい画面上の操作については、こちらの動画をご覧ください。
【LINEスタンプ制作動画】
記事では全体の考え方を、動画では実際の操作を確認できるようにしています。
こうして16枚が完成した
今回の工程をまとめると、次のようになります。
スプレッドシートで16枚を設計する
↓
Googleドキュメントでコピーできる制作カードにする
↓
制作カード、共通ルール、キャラクターシートをChatGPTへ渡す
↓
画像を1枚ずつ生成する
↓
Canvaでサイズ調整と背景透過を行う
↓
PNG形式で書き出す
↓
16枚完成
最初は、ChatGPTで画像を作れば、そのままLINEスタンプになると思っていました。
実際には、設計、画像生成、仕上げで、それぞれ適した道具が違いました。
スプレッドシートで全体を考える。
Googleドキュメントで制作しやすい形に変える。
ChatGPTで画像を作る。
CanvaでLINEスタンプ用に仕上げる。
ひとつのツールだけで全部を完成させようとせず、それぞれの得意なところを組み合わせる。
今回の制作で、一番大きかった気づきです。
一年に一度だけ会える、二人のスタンプ
こうして完成したのが、
「きゅうり馬となす牛の、夏の約束。」
全16枚です。
このスタンプは、お盆の時期だけに使う言葉を集めたものではありません。
「待ってたよ!」
「おかえりなさい」
「ありがとう」
「おつかれさま」
「すぐ行くね!」
「気をつけてね」
「またあとでね」
普段のLINEでも使いやすい言葉を入れました。
その中に、
「もう帰る時間だね」
「また来年ね」
「忘れないよ」
「またね。」
という、きゅうり馬となす牛の物語が流れています。
迎えるきゅうり馬。
見送るなす牛。
そして、二人のそばで静かに吹く風。
前編で考えた世界が、ようやく実際に使えるLINEスタンプになりました。
本日、LINEスタンプを発売します
キャラクターの役割を考えるところから始まりました。
キャラクターシートを作り、16枚の設計書を考え、画像を1枚ずつ生成し、Canvaで仕上げました。
何度も画像を見比べ、表情や構図を確認してきた16枚です。
そして本日、この記事の公開に合わせて、
「きゅうり馬となす牛の、夏の約束。」を発売します。
【LINEスタンプ販売ページ】
https://line.me/S/sticker/35306069
AIを使えば、一気に大量の画像を作ることもできます。
でも今回は、1枚ずつ丁寧に作りました。
その時間があったからこそ、きゅうり馬となす牛が、ただの画像ではなく、自分にとって少し特別なキャラクターになったのだと思います。
お盆に帰ってくる大切な人を思いながら。
普段の何気ない会話で、誰かに「ありがとう」や「おつかれさま」を伝えながら。
きゅうり馬となす牛の小さな物語を、皆さんのLINEでも使っていただけたらうれしいです。
一年に一度だけ会える、二人の夏の約束。
いいねやリスタックで応援していただけると、次の制作を続ける力になります。
はじめましての方へ
私は、55歳の会社員として働きながら、ChatGPTや画像生成AIなど、新しいツールを実際に試し、その過程を発信しています。
AIをすでに使いこなしている人というより、私たちと同じように、分からないことを一つずつ試している立場です。
うまくいったことだけではなく、迷ったことや失敗したことも含めて、これからAIを使ってみたい私たちの参考になる形で残していきます。
今後もこうした制作記録を読みたいと思っていただけたら、無料購読してもらえるとうれしいです。







まあちゅうさん、おはようございます!
きゅうりうまとなす牛が、かわいくて😍
その制作過程がとてもわかりやすかったです。
何より楽しそうです😊
まあちゅうさん、おはようございます。
やはり丁寧に作り上げていくと結果も違うんですね。詳細な過程が分かりやすかったです。